人は何故山に登るのか
山とは実に雄大で荘厳で美しい。それと同時に恐怖心を掻き立てられる。
天候の優れた明るい時間帯に登るとただただ美しく見える山は一瞬で姿を変える。
暴風、暴雨、落雷、ホワイトアウト、暗闇。
そういった過酷な状況で歩く山では、命というものを身近に感じることができる。
日常では恐怖心から死を連想することはないが、山では死ぬかも、、、と思うことがままある。
そこまでして何故人は山に登るのだろう。
美しい景色、喧騒な社会から隔たれた場所を求め人は歩くのだろうか。
はたまた、達成感を味わうためなのか。
中には生死の狭間を楽しむ者もいるのだろうか。
十人十色の山に登る理由があるのだろう。
私の目的はなんなのだろう。
美しい景色も、達成感もある。健康維持の為の運動でもある。
どれも他のことでも得られる体験だと感じる。
登山ならではの点は達成感と同時に美しい景色を見ることができることだ。めちゃくちゃ疲れた時、美しい景色は更に上位のものに変わる。
大して美味しくもないカップラーメンが三つ星レストランの味かのように感じる。
歩き続けていると、この達成感というもののレベルが上がっていく。
初心者の頃、3時間も歩けば達成感に浸れていたのに今や散歩にしか思えない。
8時間歩けば達成感を味わえるかと言えば、まだ足りなかったりもする。
こうして、どんどん達成感のレベルが上がり、よりハードな山行を求める中毒者となっていく。
より高みを目指す。
そう言った意味で考えると、登山とは人生の縮図なのかもしれない。